ぽんの備忘録

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「弱者叩き」をしている人たちと「労働信仰」

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どうも、ぽんです!

こんな記事を見つけた。

 

business.nikkeibp.co.jp

 

記事によると、日本人は「自力で生活できない人を助ける必要は無い」と考える人が4割らしい。

しかも、この4割という数字は世界1位で、2位のアメリカよりも1割ほど多いそうだ。

 

これは僕にとって、ビックリする内容だ。

日本人は、何となくだが「優しくて気が良い」ような印象を持っていたからだ。

 

 

しかし、思い返せば、昨年の痛ましい事件、相模原での障碍者施設を狙った19人殺傷事件でも、犯人側の味方をする人がネット上に一定数いた。

 

彼らの主張は「障碍者は生産性が無い上に生活費が税金で賄われているので無駄だ」という事らしい。

上の記事の「自力で生活できない人は助けなくていい」と一致している。

なぜ、このような考えになってしまう日本人がいて、それが他国より多いのか?について、今日は考えてみた。

 

日本人の「労働信仰」

 

「他国と比べてどうか」という事は、他国を見ていない僕はハッキリとは言えないが、日本人は「労働こそ至高の価値」みたいな人が多いように思う。

 

特に「正社員」が大好きだ。

ちょっと、会社が肌に合わないからと言って簡単には転職してはいけない。

何度も転職していると、企業から嫌われて再就職できなくなってしまうんじゃないか?と怖くなる。

こういった「圧」はこれを読んでるあなたも、感じることはあるだろう。

 

おそらく、多くの人がこういった「圧」を感じながら、新卒で入った会社で長時間労働パワハラを受けても「我慢して働いている」訳だ。

辛いし、会社に行きたくないが「正社員」という安定を手放したくないので、いやいやながら毎日出勤する。

なぜ手放したくないか?と考えると「正社員から外れるとヤバいという圧」があるからだ。

恋人を作るときも、結婚をするときも、ローンを組むときも、親や友人と会いに地元に帰るときも「正社員」は重要だ。

特に「大手企業の正社員」ならなおさら良い。

それを失わない為に、死ぬほど嫌な事があっても会社を辞められない。

 

そうして「嫌な仕事でも無理して頑張る」が正義となり「それをしないと生活できない」という固定観念が出来る。

その固定概念の中で生きていると「社会保障によって働かずに暮らしている人間が許せない」となってしまい

 

「自力で生活できない人は助けなくていい」

 

に行きついてしまうのだ。

 

本当は、みんな労働が嫌いなのに「労働信仰」により「正社員」でなくなった人間は、もう地獄しかないと思い込んでいるから、仕事を辞められない。

 

「自力で生活できない人」が羨ましいから恨めしくなる

 

 みんな、本当は働く事にうんざりしているのだ。

だけど「正社員から外れるとヤバいという圧」を受けて、思うように動けない。

 

「今は彼女(彼氏)がいないけど、正社員じゃなくなったらますますモテなくなる」

「もし結婚できても、正社員じゃなくなったら家を買ったり子どもを大学にいかせられない」

「正社員じゃないと老後も不安…」

 

正社員を続けていても、これらが保証されるわけじゃないけど、正社員じゃなくなることで、もう完全に手の届かないものになってしまうような不安感に襲われているのだろう。

だからどんなに苦しくても働く。

でも、仕事は本当に苦しくて、職場の人間関係も悪くて最悪だ。

明日も憂鬱で、会社に行きたくない。

そんな時に「自力で生活できない人」が羨ましく感じるのだろう。

そして「こんなに自分は頑張っているのに、その税金で働かずに暮らしている奴が許せない」と、なってしまう。

 

でも「自力で生活できない人」は、彼らが「失いたくないモノ」を元々持っていない事がほとんどだ。

 

本来、人間は自由

 

正社員にこだわらなければ、前述の固定観念を持つことはないと思う。

嫌な仕事の時間を削って、自分が生活できる最低限だけ稼いで暮らせば良い。

非正規社員でも良いから、労働時間を短くして時間的余裕を作って、自分の好きな事をしたり、ダラダラして過ごせば良い。

確かにお金は無いが、自由な時間を取り戻せる。

お金がもっと欲しいと思ったら、もう少し時間を犠牲にして稼ぐお金を増やしても良い。

そうすると「自力で生活できない人」より、色々な選択肢がある自分に気付くと思う。 

 

それがわかった後でも「自力で生活できない人」は羨ましいだろうか?

 

労働信仰が弱者叩きを助長する

 

「仕事は嫌で辛いもの」

「それでも、我慢して働かなければいけない」

「正社員で安定して働きたい」

 

これは、多くの日本人に共通する考え方だろう。

このせいで「自分の人生の全てを嫌いな仕事に浸食されてしまい、全く自分の思うように生きられない人」が多いのではないか。

そのストレスはどんどん蓄積されているのだろう。

そんな社会だから「障碍者は生産性が無い上に生活費が税金で賄われているので無駄だ」という意見が多く出るのだと思う。

 

本当は、労働は「〇〇がしたい!これをするにはお金がいるから、仕事増やさなきゃ!」と「希望が先行している状態」が健全だ。

しかし、今の日本人は「正社員から外れるとヤバいという圧」にやられて、何かがしたいわけではないのに、長時間労働パワハラに耐える。

「弱者叩き」はそういう社会の中で蔓延していく。

 

そういう人たちに「弱者叩きは悪い事だからやめろ」と説教をしたいわけでは無い。

しかし、自分の「心の余裕」が極端に少なくなっている事に気付いた人は、固定観念を取り去り、自分にとって本当の意味で良い生き方にシフト出来れば、少し心持が変わるのではないか、と思う。

 

 

 

ぽん